優先座席かどうかは関係ありません。
電車に乗ろうと並んでいると、私の後ろに年配の女性が来られました。それから、しばらくしてその女性が「こっちよー」と叫ぶので、そちらの方向を見ると、杖を突いたおじいさんがゆっくり歩いて来ていました。私は、おばあさんはおじいさんの席を確保できるように先に列に並んでいたんだなぁと思いました。だったら、私が席を確保してあげようと思いながら電車を待っていました。ところが、あいにく満席。
電車に乗り込むと偶然おじいさんが私の隣に立ち、その隣におばあさんが立っていました。電車が動き出してしばらくしても誰も席を譲ろうとしません。私は何とかしておじいさんに座らせてあげたいと思いました。しかし、座っている人に直接「代わってあげて」と言って、逆切れされても困ります。どうしよう!? 苦肉の策です。私はおじいさんに話しかけました。
私 : 大丈夫ですか? 誰か代わってくれはったらいいのにね。
おじいさん : 大丈夫です(うなずく)
おばあさん : 優先座席は前の方みたいですね。
私 : 優先座席でなくても、代わってくれたらいいじゃないですか?
おばあさん : 気がつかはれへんみたいだから、仕方ないです。ここは優先座席じゃないです
から・・・
私 : 扉の向こう側の隣の車両入った所が優先座席みたいですよ。
おばあさん : ありがとうございます。後から行ってみます。
そこで、やっと前に座っていたおじさんが顔をあげ、立ち上がりました。座っていた人の中で一番年配だったので、私はその人に申し訳なく思いました。と同時に、その隣に座ってずっとスマホをしている10代の女の子に「あんたが代わってあげてよ」と言いたくなりました。
そのおじさんが立ち上がる時に、その女の子の太ももをトントンとつつくので変だなぁと思っていると、遅れること数秒、その女の子とそのまた隣に座っていたおばさんが立ち上がりました。どうやら親子3人連れだったようです。
おじいさんとおばあさんの2人なのだから、今頃になって3人とも立ち上がるぐらいだったら、最初っから娘が立ち上がってよ!って思い、おじいさんが座れたことは良かったけれど、なんだかすっきりしませんでした。
優先座席であろうとなかろうと、山登り帰りの元気なのに席を譲ってと言わんばかりの態度を取る年配の方には譲らなくても良いと思います。しかし、一般的には年配の方やお体の不自由な方に対しては真っ先に席を譲るべきです。
上海の地下鉄やバスの中では年配の方や小さな子供を連れた人を見ると、すぐに席を譲ります。中国の人は親より年上の人に対しては尊敬の気持ちをもち、一人っ子政策も手伝ってか子供を大切にします。それが席を譲るという行為にも表れているのではないかと思います。
過剰に他人に関心を持つ必要はありませんが、みんなが気持ちよく暮らせるように気を配ることは必要なことではないでしょうか?