挨拶
≪あいさつ≫の漢字の≪挨≫、≪拶≫には「押す」、「迫る」、「近づく」という意味があり、≪挨拶≫とは「心を開いて相手に近づく」ということです。つまり、≪挨拶≫はコミュニケーションの第一歩としてとても大切な行為なのです。
先日、朝のワイドショーで今年は≪お遍路≫をするのに60年に1度のビックチャンスだという話題が取り上げられていました。≪お遍路≫とは弘法大師の足跡をたどり、四国の八十八ヶ所の霊場を巡拝することです。お寺を参拝することを「打つ」といい、1番札所から順番に打つのが「順打ち」、88番札所から遡っていくのを「逆打ち」といいます。
今年は60年に一度の丙申(ひのえさる)の年。今から1200年前、長者が逆打ちして弘法大師に会えたのも、丙申でした。そのため、とても珍しい年ということで、ご利益は4倍になるそうです。さらに逆打ちは順打ちより大変なため、そのご利益は5倍になるということです。
私は以前から四国八十八ヶ所巡りに興味があり、いつか巡拝してみたいと思っていました。そこで、この番組を見て「今年行くしかない!」と思いましたが、全行程はおよそ1400キロもあります。諸々の事情で無理!しかし、一ヶ所で巡拝できる所を見つけたのです。仁和寺の裏山に≪御室八十八ヶ所霊場≫があります。
早速、この連休中に逆打ちをしてきました。皆さん順打ちをされているので、途中で何十人かの方とすれ違いました。その時、全員「こんにちは」と気持ちの良い挨拶をして下さいます。こうして見ず知らずの方でも山の中で挨拶すると親近感がわいてきて、連帯感を覚えました。改めて、挨拶の大切さと素晴らしさを実感しました。挨拶の言葉を交わさない国もあるようですが、気持ちの良い挨拶を交わすことは日本の文化だと思います。これからも大切にしていきたいものです。